コミュニケーションとは

人間や動物などが感情や気持ち、考えている事の理解、または楽しむために会話などでお互いを理解し合うために伝え合う事で、定義はいろいろとありますが、それを「コミュニケーション」と呼びます。
世の中には、コミュニケーションの得意な人と苦手だという人が人がいます。


コミュニケーションが得意だと感じている人は、自分では得意だとは思っていないことが以外にあります。
逆にコミュニケーションが過剰な程に苦手だと思っている人が多いようです。
そして、「上手く会話をしなければいけない。」という強迫観念を持っています。
もともと意思伝達が得意だと言う人は自分がそれを上手に出来る意識がない上、どうやって会話や議論などの運びをしているか自分でも分からないということです。


コミュニケーションが苦手な人は、焦ってあれこれと苦労します。
人は普段の会話をしているときなど、どんな風に言葉を組み立て、どのタイミングで話すのかほとんど意識していないといいます。
実は言葉は「無意識的」で、まず何か伝えたいことが頭(心)に浮かびま す。
その瞬間に自然に話しているのです。


話しながら、また話し終わった後にどんな会話をしていたかを思い出すのです。
そして言葉を変えながら話をしていくのです。途中で忘れた言葉があると口ごもってしまいます。
話す前に言葉の組み立てが出来ているなら話す前に忘れた言葉があると気づきます。
感覚的に「とりあえず話している」んです。


まず「伝えたいことが先にある」のでそれについて頭の中で組み立てを瞬間的にしているわけです。
ですが、「コミュニケーションが苦手だ」という人に限って、「伝えたいこと」より先に、「うまくコミュニケーションする」ことを考えてしまうのです。
だから意気込んでしまって何も言葉が発せられないのです。

コミュニケーションを生み出すには

例えばA君がスポーツに興味がなくて、スポーツについて楽しく思わないし、知識もないのでスポーツが好きな人とは会話をする事ができず、輪の中に入ってコミュニケーションを取る事ができませんでした。
ですが、読書は好きだったので、本を読んでいて楽しいので、「知りたい」という思いが生まれ、知識が増え、同じ読書が好きなBさんとその事について議論したり、共感し合ったりして、信頼関係を築く事が出来た、というのが人間関係の中では基本的でごく自然な人とのつながりや縁だと思います。


このように本来のコミュニケーションは、自分が行うことのついでに生まれる「副産物」なのです。
コミュニケーションの苦手な人がコミュニケーションをメインにするとうまくいかないでしょう。
コミュニケーションは副産物で、「何か」がコミュニケーションより大切なのです。
その「何か」があれば、コミュニケーションは自動的に生まれます。

動物のコミュニケーション

動物のコミュニケーションは、「種」に共通し、その行動で他の動物に影響を及ぼすものです。
それは固定的なものでなく、その時の状況によって変化するものだからです。
また、コミュニケーションは、同じ種類の他に別の種類でも行われるのです。


動物のコミュニケーションは、社会行動の種類が豊富で、その機能は最近になって調べられています。
その中でも本能は隔絶された行動にかかるコミュニケーションで、よく知られているのは犬が遊ぶときの顔です。
そして、それは本能でも威嚇でもなく、遊びの行動であり、それを相手に伝えるものなのです。


個体や相手によって違うもので動物のコミュニケーション能力は複雑なものといえます。
その能力は、状況で他の仕草との関連があって複数の違う意味を表現するためのものです。
ペットの犬のしっぽの振りも微妙に違うのが分かります。


その時によって異なる意味を持ち、興奮、楽しい、リラックスなど人間や他の動物への意思表示の表現なのです。
人が色々な表情やしぐさだったり、笑い泣くように、動物もしぐさで自身の意図を表すんです。
このコミュニケーション能力は、生まれたときからのものでなく、後から出来る行動であり、「学習」によって体得したものなのです。

感情表現

ダーウィンの影響を受けたジョージ・ジョン・ロマネスは、比較心理学の礎を作り、ヒトと動物の間の認知の類似性を指摘したのです。
そして、彼は「人と動物の心理の差は性質ではなく量的な違いである」と主張したのです。

現在の日本についても、人間や動物の感覚について学ぶときに参考にすると役に立つ「動物は世界をどう見るか」(鈴木光太郎著 1995年)では、動物の意思伝達能力を理解するには、その感覚について知る必要があり、人間や動物の感覚、特に視覚の仕組みについて動物の生態について解説されています。


また、動物のコミュニケーション能力は、真実の情報だけでなく、偽りの情報を伝えることもあるのです。
その例が、「擬態」や「物まね」と呼ばれるものなのです。
この様に、動物のコミュニケーション能力は個体差以外にも様々なものがあります。

コミュニケーション検定とは

会社、学校などで相手との意思疎通ができているかどうかを判定するための基準として行われるのが「コミュニケーション検定」と呼ばれるものです。
日本語を使いこなす能力があるかの判定をします。
ビジネスの場で一番に求められるのは「コミュニケーション能力」です。
コミュニケーション検定には2つの級があり、「初級」と「上級」に分かれています。

●初級
初級は他の人との会話の中で話をして相手とスムーズにコミュニケーションが取れるかどうかや、正確に自分の考えを相手に正しく伝えられるか、また就職の面接や発言が求められる場で伝えたいことをいかにして伝えるかを判定します。

●上級
あらゆる場面に応じて言語、非言語コミュニケーションを使い分けることが出来るかを判定します。
自分の活動の中で自分の考え、主張をはっきりと述べる事が出来るかどうかが判断基準として見られます。
初級、上級どちらにも必要なのが、相手の伝えたいことを理解して聞き取る能力、意識しながら話を組み立てることが出来る能力、さらに言葉を選んで自分の考えを表現してうまく伝えられるかどうかが試されます。

検定上級

例えば、お客様が来た場合の応対の仕方、電話応対、アポイントメントの取り方、挨拶の仕方なども評価の対象となります。
また、情報の共有、グループ内でのコミュニケーション力、クレームの対応の仕方も重要になってきます。
さて、肝心の試験の概要ですが、初級は筆記試験のみで、上級は筆記試験や対面試験があります。


最初に自己紹介することから始まり。次に自己主張ができるかどうか、説明を的確に伝えられるかなどを観察されます。
試験ではきちんと対応ができるかどうかが見られているのでを事前の練習を何度もしておくとよいと思います。
初級の受験時間は50分、上級の受験時間は知識試験が60分+面接試験が一人3分間ほどあります。
初級2500円、上級4300円となっています。

男女での違い

男性と女性では重要だと思っている部分が違います。
他にも例はたくさんあります。
例えば、日常生活の中でも女性は会話や共感の延長でメールが欲しいと思っています。
言葉や感情のキャッチボールを必要としているのです。


ですが男性の場合はそうではなく、メールでの文章を感じたように愛することができないという気質を持っています。
なので感覚的な部分が強ければ強い程それを「愛情」として捉えます。メールで面倒な文章を打つよりも声が聞こえる電話の方がいいと思ったり、電話で話すなら直接会った方がいいという男性が多いです。
普段メールをするなら週に一度がっつり会えばいいという考えなんです。


男性は共感したりといったコミュニケーションをあまり重視していません。
用があるときだけしか連絡はしないと考えて、「用もないのに話すのは変だろう」という感じです。
用もないのに連絡をするのは時間の無駄という発想が根本にあるのです。
そして女性がどうしても譲れないのは、相手とのコミュニケーションです。

男女の捉え方の違い

女性にとって、連絡は自分を気にしていて、大切に思ってくれているという愛情を確かめる事が出来るため、女性はそれを大事な要素だと思っています。
連絡を取ることで愛情の確認をしているのです。彼を信頼するために、信じられる言葉や気配りを求めています。
女性は言葉を大事にし、男性は言葉を大事にしません。


カップルへの調査で、男性が女性の話を聞いているか聞いていないかというアンケートをとったところ、男性の8割以上が話を聞いてると思っていて、男性が自分の話を聞いてくれないと思っている女性も8割いるという結果になりました。
コミュニケーションの基本は変わりませんが、男女の考えている事や、どういう行動をするかの違いが分かれば、すれ違いや勘違いを防ぐことができます。

極意

コミュニケーションの大事な要素に「話す速度」があります。
普段の会話の中で自分の話す速度を気にしているでしょうか。
無意識に自分のスピードで話していると思いますが、人の個性があるように、話す速さにも個性があります。
「ぺーシング」という方法は相手が自分に興味を持ってくれて、会話をスムーズに運ぶための大事なものです。


ぺーシングは何なのかというと、相手の喋るスピードやテンポに合わせて自分もそのスピードに合わせる事を言います。
相手がゆっくりと話していて、自分が車が走るようなペースで話していたら会話がつまって疲れますし、相手もこちらを「合わない」と見て、親しくなりたいとは思わないでしょう。


だから、相手が自転車ならこちらも自転車のスピードのペースで、また相手がスポーツカーなら、こっちもスポーツカーで話せれば会話がスムーズに進むチャンスが生まれます。
どうもあの人とは上手くやっていけないという場合、相手は会話のペースが違うと戸惑ってフラストレーションが溜まってしまうかもしれません。


この「ぺーシング」をするだけでうまくいくかもしれませんよ。

2つのポイント

そして会話を膨らませるためのポイントは2つです。

・拡大質問

すぐに沈黙になってしまう時、もっと相手のことを知りたい時、この「拡大質問」を使うと自分が喋らなくても、相手がどんどん話してくれるのでとても便利です。

会話がぎこちなく進む時はYES/NOクエスチョンが多くなっている可能性があります。
はい、いいえだけで質問が進み、「掘り下げる」ということがなければ会話が弾む事はありません。
拡大質問は5W2H(なに、どこ、なぜ、どっちの、誰、どのように、どれくらい)を使って文章を作ります。
相手が無口な方でも、喋る量を増やす事ができるので負担が軽くなります。

・繰り返し

相手の言うことを繰り返すだけでも会話が進んでいきます。
繰り返す事の利点は、まず「あなたの話をちゃんと聞いているよ」という合図になります。
繰り返すうちに次の話を膨らませる余裕ができ、話の行き違いを防ぐ事が出来ます。
誰でも自分の話を聞いてもらうほうがいいですよね。
自分の話を聞いてくれる人に好意を抱きます。
特に初対面の人や普段話さない人と喋る時や目上の人と話すときには重宝します。

マナー

心地よい挨拶をするには、「微笑んだ表情」と「ハキハキした声」がポイントになります。
表情は特に重要なコミュニケーションツールなので挨拶は笑顔でしたいものです。
また、相手が年下でも誰だろうと「挨拶は自分から」が基本になります。
特に親しくない人には、意識して自分から声をかけます。


それと挨拶は、最後まで言い終えてから礼をする方が印象がいいです。
すれ違いで挨拶をするときも、一旦立ち止まったほうがよい印象を与えます。
もう一つ、挨拶に「+αのひと言」をつけ加えると相手との距離が縮まり、コミュニケーションが深まります。
おはようございますの後に「今日もいい天気ですね」「暑いですね」などと付け加えると、会話が広がって親しくなるチャンスが生まれるかもしれません。


「○○さん、こんにちは」と、名前を呼んで挨拶するのもおすすめです。
挨拶は「あなたを認めています」と言うメッセージでもあり、名前を呼ぶことでさらに強く相手に伝わります。
こういうちょっとした積み重ねが、人とのコミュニケーションを円滑にする、大事なポイントになると思います。
コミュニケーションで大切になるポイントは、まず「相手に興味を持つこと」です。


誰でも自分を認めてくれると嬉しく思い、親しくなりたいと感じて、気を許してくれると思います。
「あなたに関心を持っています」という気持ちが伝わるような話題選びも一つの方法です。
やっぱり「共通点」を見つけられると、そこから会話が進んでいきます。
いきなりプライベートに関わる話をするのはマナー違反ですが、差し支えない範囲で自分の情報を相手に伝えるのは、コミュニケーションを深める手段となります。


また、会話をするときのポイントとしては、なるべく「前向きな表現をする」ことです。
ポジティブな表現を使うと、受け取る印象が全く違うものになります。
例えば「太っている」を「ふくよか」という表現に置き換える事も出来ますよね。
実際に会って話すよりも、言葉の印象が直接伝わるのが電話での会話です。


そのため電話では、「クッション言葉」を使うと、丁寧に話せると思います。
日常会話の中でも、言いにくいことやお願い事などを伝えるときに一言付け加えると、印象が違います。

お願いごとをするときなど
恐れ入りますが/よろしければ/差し支えがなければ/大変恐縮ですが など

断るときなど
せっかくですが/あいにくですが/残念ながら/申し訳ありませんが など

また、良いコミュニケーションをするためには「よく聞くこと」が一番です。
よく聞くためには、「相手が気持ちよく話せる」態度が必要です。
まず聞くときの「表情」ですが、楽しいときは笑顔になりますし、悲しい話になると真剣な表情になります。
このように、話の内容に合う表情は、相手に「聞いてくれてるんだな」という安心感を与えます。

話を発展させるには

大げさにしなくていいですが、表情を意識するのは、よく聞くためのポイントだと思います。
心理学に「アクティブ・リスニング」という言葉があり、積極的に相手の話を聞き、話を展開させる聞き方のことです。
基本は「相槌」で、「あなたの話を理解している」というサインです。
そして相手の言うことを繰り返したり、話を展開させる言葉を使うのも、必要な要素です。
次のようなキーワードを使うと、話が発展しやすくなります。

共感する
なるほど/そうそう/その通り

具体例を求める
例えば?/○○に例えると?

展開を促す
それから?/それで、どうなったの?

理由を尋ねる
どうして?/原因は?/なぜでしょうか?

ねぎらう・いわたる
お気の毒に/残念でしたね/それはそれは…

アクティブ・リスニングをすると、聞き方に変化が表れてきます。
会話は、コミュニケーション力を磨くトレーニングです。
話したり聞いたりするのは自分を成長させるので、積極的にいろいろな人との会話を楽しんでください。

非言語コミュニケーション

ノンバーバルコミュニケーションの言葉の意味は、直訳すると言葉によらない非言語コミュニケーションといえます。
コミュニケーションには二つの種類があり、一つはバーバルコミュニケーション(言語的)と言って、普通の会話などです。
もう一つがノンバーバルコミュニケーション(非言語的)といい、言葉以外でのコミュニケーションのことです。
例をあげると、声や表情、立ち居振る舞いや服装などがあります。


そして第一印象を左右するのが言葉を使わない「ノンバーバルコミュニケーション」です。
ノンバーバルコミュニケーションに関連したお話があり、「マレービアンの実験」と言われるのがそうです。
アメリカの心理学者、アルバート・マレービアン博士による、人が他人から受け取る認知情報の割合の実験結果です。


・顔の表情 55%
・声の質(高低)、大きさ、テンポ、 38%
・話す言葉の内容 7%


ほとんどが顔の表情、声の質によって判断している事が多く、会話の内容はたった7%に過ぎないという結果になりました。
言葉以外でも他の方法を使ってコミュニケーションを交わすのが人間です。
また動物や植物もコミュニケーションを行っています。


また興味深い実験があります。
コロンビア大学の実験で、8人の被験者にある感情を起こさせながら、アルファベットを読ませ、30人の判定者が話している人の感情をどれだけ認識できるのか実験しました。
結果は以下のようになりました。
感情     識別率
怒り      65%
不安     54%
悲しみ    49%
幸福     43%
同情     38%
満足     31%
愛情     25%
恐怖     25%
嫉妬     25%
誇り      21%


判定者の中で最もよく当てた人は49%に及びました。
会話とは別に、声の抑揚や表情から多くのことを読み取っているという結果になりました。

9種の非言語コミュニケーション

非言語コミュニケーションは影響力のある9種の非言語コミュニケーションは次の9つです。


1 人体(性別、年齢、体格、肌の色) 
2 動作(姿勢や動き)
3 目
4 周辺言語(話しことばの音声上の特徴)
5 沈黙
6 身体接触
7 対人的空間
8 時間
9 色彩


この実験は1950年に行われ、再度調査された時には、これらでは人間に行動させるための影響力はないという裏づけはとれていないそうです。

コミュニケーションの取りかた

ここではコミュニケーションの取り方についての話をします。

コミュニケーションの取り方には、色々な手段があります。直接会ったり電話で話したり、メールをしたりと色々です。
どのコミュニケーション手段がお互いの考えや感情など伝わりやすいでしょうか。
もちろん直接会って話すのがベストです。


コールセンター事業などでは電話応対を得意としていますが、やはり直接会って話すのがとても重要なことだと考えています。
大切な話する時は「顔を合わせて話す」と習ったので当たり前になってくるマナーとして求められます。
まず自分の言いたいことを言い、「嫌な事を嫌と言えるようになる」と心に強く決めることです。
決めたら小さなことから実践します。


コンビニの店員、受付窓口、親戚、親兄弟など言いやすいところから練習していきます。
練習を重ねて「言う」ということに少しずつ慣れステップアップしていきます。
そして少しずつ人を笑わせるユーモアや、今うまく言えなくても筋の通った考えかた、言い方をするのが大切です。
その筋が通っていれば何かあっても堂々としていられるし、自分をかばってくれる人もいると思います。

良い人間関係を築くには

自分から見てコミュニケーションが上手だと思う人や、皆に好かれている人、面白い人が場面場面でどう反応しているかよく観察して盗むのが良いと思います。
全く同じにするのは難しいので相手の冗談にのればいいのか、軽く流せばいいのという風にパターンを身に付けるという方法もあります。


良い人間関係を築きたいなら一歩的に話しかけるだけでなく、常に相手の立場になって話を聞くのが円滑なコミュニケーションの方法です。
コミュニケーションは皆が言うように生きていく上で大切なものなのですが、人それぞれであまり喋らない人や個性の部分もあるので、その部分は皆が理解し合わなければいけない部分じゃないかと思います。