週間少年サンデーについて

週刊少年サンデーは1959年に創刊された少年向けのコミック雑誌です。
主に小学生から高校生までを対象にしていて、創刊時30円、現在は260円で書店、コンビニに売っています。
サンデーという名前は「この雑誌を読むとまるで日曜日のように楽しい気分に浸れるように」というのが由来です。
昔は火曜日が発売日でしたが、今は毎週水曜日が発売日になっています。


マスコットキャラクターのナマズは「ビッグコミック」の前身「ボーイズライフ」のまた前の雑誌「中学生の友」のシンボルマークから来ています。
「淀んだ池の底でも辛抱していればそのうち大きくなる」という精神から来ています。
サンデー創刊にあたって学年誌の編集者が多かったので「小学館の新児童誌」と呼ばれ、付録などが充実していました。

できごとや発行部数

編集部と漫画家の主立った問題なども起きていなかったのですが、「金色のガッシュ!」の作者、雷句誠が原稿を小学館に紛失された事に対して訴訟を起こし、さらに漫画家に対する態度などを指摘しました。発行部数は漫画誌の中で少年ジャンプ、少年マガジンの次の3位です。連載漫画のジャンルは恋愛要素などが多いように見えます。
読者年齢層は他の雑誌と比べても高い方で、高校生以上の読者が多いという事です。


表紙には作品のキャラクターの他、グラビアになることがあります。
2001年から始まった試みとして、アンケートや投稿をインターネットから送る事が出来るようになりました。
2008年には、週刊少年誌初となるウェブコミックを配信する「クラブサンデー」のサイトがオープンしています。

発行部数
1959年 30万部(創刊号)
1983年 228万部(本誌の最高発行部数)
2008年(2007年10月 - 2008年9月) 873,438部
2009年(2008年10月 - 2009年9月) 773,062部

2000年代

2000年代の少年サンデーでは、1999年代に連載された作品が次々に終了していき、部数が落ち始めていました。
数少ない人気作がサンデーを支えていましたが、連載期間が短く、漫画家が次々とこの時期に作品を終了しています。
また、「サンデーGX」が新しく創刊され、漫画家の作品が入れ替えられたりします。


2000年代後期にはサンデーと、サンデーのライバルの週刊少年マガジンがコラボをし、「創刊50周年企画」が始動しました。
2009年、創刊号の表紙のデザインを復刻した「創刊表紙トリビュート号」、その企画が終了した後の2009年、ウェブコミックを配信している「クラブサンデー」が開設され、新人の作品がWEB上での連載に切り替わっています。

2000年に連載開始した作品

「金色のガッシュベル!!」
雷句誠原作のこの作品はサンデーで2001年に連載が始まり、テレビアニメの進出を果たしています。
天才と呼ばれている中学生、高峰清麿のもとに突如現れた「ガッシュ・ベル」は魔界から来たまだ幼い子供です。
ガッシュの持っていた魔本を清麿が唱えるとガッシュが襲いかかる敵に攻撃を繰り出します。
戦いの中で、日常生活の中で、清麿とガッシュは精神的な変化を遂げていきます。

「結界師」
田辺イエロウによる作品です。
2003年の連載開始から3年後に全国ネットでアニメの結界師の放映がスタートしました。
テレビ版の評判はあまり良くなく、2007年に深夜枠に変更され、2008年に終了しています。
単行本の発行部数は24巻までで累計1200万部超えを果たしています。

「焼きたて!!ジャぱん」
少年サンデーでは2001年から2007年までの6年間の長期連載していました。
テレビアニメ化されたのは2004年のことです。
東和馬はパン発酵に適した手の温度を持っていて、あるパン屋から「ごはんより美味いパンを作りたい」という思いを聞き、自分もパンを作り始めます。

90年代

90年代のサンデー編集部は、1988年から1991年にかけての3年間、漫画作品を増やして他のライバル社からの漫画家の引き抜き、コラムの連載、プロアマ問わない作品の人気を競う「コミックグランプリ」、グラビアなど様々な実験を積極的に行いました。
この後一気に長期連載の作品が増えています。そのため伸び悩みの部数が少しずつ回復していきました。
そのかわり若手の漫画家が少なかったそうです。


1995年にサンデーの増刊号を作り、若手漫画家のためにリニューアルしたそうです。
「帯をギュッとね!」河合克敏
高校で柔道部を作り、大会に挑みます。
コミックは少年サンデー30巻、ワイド版15巻、小学館文庫から16巻発売されています。
時にはギャグを用い、時にはスポーツの爽やかさを演出して注目されています。
作者は「技に重きを置き、柔能く剛を制す、そして明るく楽しい柔道」を描く事を目標にしているそうです。
単行本の巻末では読者によるイラストコンテスト「絵筆をもってね!」が行われ、2000通もの応募があったということです。

90年代(続き)

「行け!!南国アイスホッケー部」久米田康治
蘭堂月斗が弱小のアイスホッケー部に入り、成長していくギャグ漫画です。
ですが4巻以降はまったくアイスホッケーをしないで下ネタやダジャレが多くなります。
それ以降は絵柄が安定しないなどしていて、後の新作品にも影響を与えています。

「今日から俺は!!」西森博之
最初に少年サンデーの増刊号に掲載され、少年サンデー移り、連載された作品です。
コミックス全38巻、ワイド版19巻、2011年には文庫版が発売されています。
軟葉高校を舞台に三橋貴志と伊藤真司が絶妙なコンビネーションで問題を起こす不良ギャグ漫画です。
たいていが殴り合いの喧嘩で凶器や暴力的なシーンはあまり見られません。
派生としてOVAの発売や実写版が放映されました。

作品のアニメ化、ドラマ化

少年サンデーに限らず、アニメ化やドラマ化されることにより、コミックの販売数、週刊月刊漫画誌の部数が増え、構想しやすいメディア媒体、例えばグッズなどが売れるようになり知名度が上がります。
するとさらにコミックが売れ続けます。


作品がアニメ化されることは販売戦略と密接な関係があります。
アニメ化以外でも小説、映画、雑誌、ラジオ、ゲームなども同様です。
最近テレビで報道されるニュースでは、負債、争い、いじめなどのネガティブな情報が流される中で、「明るくなれるものは何か」と探すと、空想のありえない世界観で自由な発想が出来る漫画が好まれる理由だと思います。

少年サンデーでアニメ化、ドラマ化された作品

・犬夜叉
「妖怪と人間との絆が試される伝記冒険活劇」
犬夜叉はサンデーに連載(1996年)されてから4年後の2000年にアニメ化が決定になり、オープニングテーマの「CHANGE THE WORLD」(V6)はオリコン順位3位という好記録を残しました。
コミックスは全558話の56巻まで刊行されましたが、テレビ版は第1期と第2期に分かれて放映され、第1期は原作に追いついてしまい終了、第2期は完結編になっています。
原作者は高橋留美子で、今まで「めぞん一刻」「らんま1/2」などの生みの親です。
ちなみに世界中でベストヒットになり、一躍社会現象になった「モンスターハンター」のゲーム内で、犬夜叉の駆使する武器「鉄砕牙」が登場します。

・紅三四郎
1968年までサンデーで連載されていましたが、後に週刊少年ジャンプで掲載されています。
単行本はわずか2巻までと漫画史上で最も短いものになっていて、紅三四郎の戦いも最後は完結しないまま終わります。
紅三四郎の単行本はプレミアになり、コミカライズ作品として発行されました。
この作品を題材にしたパチスロ機が登場しています。

特徴

少年ジャンプや少年マガジンと比べるとジャンプよりは対象年齢が高い漫画誌だと思います。
ちなみにジャンプがその次に低年齢層向け、マガジンは少し大人向けなものになっています。

少年サンデーは他の雑誌と比べると看板作家、ベテランの作家を大事にしているようです。


また、ある作家の作品が終わってもまたすぐに同じ作家の新作が始まる事があります。
特定のファンを作ることには成功していますが、読者の年齢層が他誌と比べて高いことや作家の世代交代が進まないことなどのリスクがあります。発行部数はジャンプ、マガジンの後の3位で、2誌に大きな差をつけられています。
さらなる特徴は、雑誌を買わずにコミックスを購入する読者が多いようです。


ジャンプのような10週ほどで打ち切るようなことはなく、半年、長くて2年で打ち切られます。
サンデーという名前は「この雑誌を読むとまるで日曜日のように楽しい気分に浸れるように」という意味で付けられました。

名探偵コナンについて

●名探偵コナン
 「見た目は子供、頭脳は大人、その名も名探偵コナン!」

少年サンデーに1994年に連載開始されている「名探偵コナン」が1995年にアニメ化されるまでの人気の理由は2年前に本誌で先に連載を開始している「金田一少年の事件簿」や少年ジャンプの「心理捜査官 草薙葵」など、当時の「ミステリー漫画ブーム」の助けもあり、ミステリーのジャンル以外にラブロマンス、学校生活、現実社会のリアルさ、加えてポップで大衆受けする画風が早いうちに注目されました。

コミックとともにアニメになると大ヒットを記録し、1997年には劇場版名探偵コナン「時計じかけの摩天楼」が全国ロードショーで上映されました。
その後も10作品以上制作され、2011年に放映された「沈黙の15分」で15作品目になります。
ちなみにアニメ版名探偵コナン役で声の出演をしている高山みなみさんは、原作者、青山剛昌の元妻です。

◆テレビ放送
1996年にアニメが放送されてから10年、ついに実写ドラマが制作されました。
衰えない人気で、3作品が放送されています。
「工藤新一への挑戦状〜さよならまでの序章」
「工藤新一の復活!〜黒の組織との対決」
「工藤新一への挑戦状〜怪鳥伝説の謎〜」
2009年3月27日の金曜ロードショーでの名探偵コナンの特別版では、世紀の大泥棒「ルパン三世」と、難事件を次々と解決する「名探偵コナン」の対決を描いた「ルパン三世VS名探偵コナン」が放送されました。
視聴率19.5%という数字を出したこの作品のDVD、Blu-rayも発売されています。

ゲーム

◆ゲーム化へ
その人気ぶりはゲーム業界にも影響しました。
色々なハードでコナンのゲームが制作、発売されています。
ワンダースワン、ゲームボーイ、プレイステーション、WiiやDSにいたるまで、アニメ版の声優を起用して本格的なものになっています。

歴史

1958年に学年誌編集部が1950年代の週刊誌ブームを受けて、「週刊少年
サンデー」が作られる事になりました。
講談社が作る「週刊少年マガジン」が創刊される事が決まったので、創刊するための準備ペースが早まり、1959年3月17日の創刊になりました。


創刊号の内容
「スリル博士」手塚治虫
「宇宙少年トンダー」横山隆一
「海の王子」藤子不二雄
などで、創刊号の表紙には長嶋茂雄が起用されています。
価格は30円で創刊号売り上げは30万部でした。

1960年代のヒット作品
「オバケのQ太郎」藤子不二雄
「ジャイアントロボ」横山光輝
「おそ松くん」赤塚不二夫

1970年、『週刊少年マガジン』との争いの敗北を受けて、青年向け雑誌への方向転換を図り、「傑作アイデアシリーズ」と称した、昆虫をダイナミックにレイアウトする「怪虫シリーズ」を皮切りに、表紙としての定義さえも破壊した表紙が次々と登場しました。

1970年代の主な作品
 「人造人間キカイダー」石森章太郎
「銭ゲバ」ジョージ秋山
読者層である少年の多くは少年ジャンプに流れ、1973年にはサンデー、マガジンともに発行部数で追い抜かれることになり、再び少年向けに方向転換しています。

歴史その2

1980年代にヒットした作品
「うる星やつら」高橋留美子
「タッチ」あだち充
「ふたり鷹」新谷かおる
などのヒットでラブコメディブームが訪れ、アニメ化が後押しになって1983年発行部数228万部を記録しました。


1988年から連載数の増加、プロアマ問わず面白かったものを連載する「コミックグランプリなど入いろいろな試みをしました。
2000年代には人気作の終了で部数が落ち込んだと言います。
2008年3月から2009年3月にかけ、「サンデー×マガジン 創刊50周年企画」を行ない、コラボレーション商品を発売しています。
2009年、「創刊表紙トリビュート号」と題して創刊号の表紙デザインを再現しました。

最近の人気作品について

少年サンデーの中でコミックが売れ、アニメ化やドラマ化などしている作品はコミックの販売部数が多く、ネット上の漫画について語る掲示板、チャット、コミュニティなどから、今話題の人気作品をピックアップしてみます。

●マギ
「出会いと別れ、未知な世界に隠された謎と秘宝。旅人アラジンが紡ぎだす魔法冒険譚[マジカルアドベンチャー!!]」「大高忍」作のファンタジー冒険漫画で、「千夜一夜物語」「アラジンと魔法のランプ」などを参考にした作品です。
9巻までが単行本化されていて、売り上げ部数は150万部を突破しています。
アラジンは世界の王を決める「マギ」の一人で、全ての生命の魂を繋ぐ「ルフ」によってアラジンはとてつもない力を発揮出来るのです。
アラジンはアリババとそれぞれの目的を達成するために冒険に出ます。
物語の舞台はユーラシア、アフリカ大陸を手本にしていると作者のコメントがあります。

最近の人気作品について(続き)

●神のみぞ知るセカイ
楽天やアマゾンの売り上げランキングでも上位に入っていて、現在特別版14巻まで発売されていて、サンデーの看板漫画になりつつある作品です。
mixiでのコミュニティに参加している人も多く、キャラクターが好きな人、ストーリーが好きな人など様々な人がいて、掲示板でも、話の展開についての論争が起こっています。
絵柄は最近どんどんと増えてきている「萌え」のジャンルを取り入れた絵柄で、主に男性に読まれています。
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